離島暮らしの生活とリアル事情を大公開|医療・子育て・買い物・移動・仕事まで全部まとめました
同じ日本でも、離島で暮らすと日々のお金の使い方は大きく変わります。
買い物は船便次第、通院はフェリー移動、保育園は定員に左右され、天候によって生活リズムもガラッと変わる——。
「離島の生活費って実際どうなの?」と気になっている方に向けて、
子育て中の私が、八つのジャンルに分けてリアルな実情を紹介します。

医療費・医療アクセス
離島暮らしでまず気になるのが「医療」。わが家が暮らす島では常駐の医師はいません。看護師さんが常駐している診療所があるのみです。月2回の医師の往診があり、日常の医療はそこで済ませています。
◆ 往診の仕組みと医療費
私は甲状腺の定期フォローが必要で、2カ月に1回の採血+処方で約5,000円。
診療費と薬代は島の役場で 翌月まとめて支払い という仕組みです。
予防接種や1歳半・3歳児健診などの小児系も、往診のスケジュールに合わせて実施されます。
◆ 急病時の動線
急変時は
看護師 → 医師に連絡 → 緊急性あればヘリ搬送
という流れになります。
実際に我が家ではヘリ搬送されたことはありませんが、1歳過ぎの子どもが大晦日にインフルエンザで高熱を出した時は、元気で水分も取れていたので薬の処方だけで対応できました。
◆ 妊婦健診は「フェリー移動+助成金」で対応
私は現在第二子妊娠中です。妊婦健診は本土の病院へ通院する必要があります。
自治体からは以下が助成されます。
- フェリー代:往復4,350円
- 宿泊費:1泊3,000円 × 最大2泊
(ホテルの場合は1泊8,000円まで)
往診や健診はフェリーの欠航で“延期”になることもしばしば。
健康であることが離島で暮らす最大の条件だと実感しています。

住居費
◆離島は家賃が安い?高い?
私が住んでいるのは地区で一番新しい村営住宅(築5年ほど)です。間取りは3DKで家賃は23,200円です。
築年数で家賃が設定されているようなので、この家賃でも地区では一番高いようです。

「家賃は安いが、光熱費・食費・交通費が高め」なので生活コストとしては安くないと思います。
子ども関連費・子育て事情
◆ 保育園はあるが、預けられるとは限らない
島には保育園が1つだけ。
徒歩圏内ですが坂道が多いので送り迎えは地味にハード。
定員は少なく、転勤で来る学校職員の子どもが多い年は定員オーバーに。
私も育休明けに預けられず、第二子妊娠を機に退職しました。
- 保育時間:9〜15時
- 夏休みなど長期休暇はお休み
→ フルタイム共働きはほぼ不可能
◆ 支援センターや公園がゼロ
支援センターも公園もなく、山道と海沿いの散歩のみ。
2歳児の体力消耗は本当に大変。妊婦の私は散歩中に抱っこを求められると完全に詰みます。
食費・日用品
◆ コープが生命線
島にはコンビニは愚か商店もありません。島民はそれぞれネットスーパーや本土の商店から食材を調達しています。
我が家では、コープの共同注文がメイン。
土曜の便で届き、港でまとめて段ボールを開けて仕分けします。
- 生鮮やミールキットは離島不可商品が多い
- もやしは届いた日に使わないと傷む
- 物価高もあり最近は月に10万円ほどになることも
◆ Amazon・楽天は追加送料なし
タイミングが合うと注文から2日で到着することもあります。
◆ 欠航時は1週間遅延も
5年以上住んでいる中で、台風で丸1週間船が来ないことがありました。
コープの野菜は賞味期限切れで届き、地区備蓄の非常食(アルファ米・缶詰)が配布されたことも。
移動費
◆ フェリー代
まず島から出るためにフェリーに乗る必要があります。
- 島民は往復4350円
- 便は週4日
- 朝9時半に鹿児島出港→島15時ごろ→鹿児島19時半ごろ入港(日帰り便)
- 朝9時半に鹿児島出港→島15時ごろ(島に停泊)→島8時半出港→鹿児島14時ごろ入港(1泊便)

本土に出るだけで5~6時間かかります。
◆ ガソリン代
本土とほぼ同じ。島からの調整費が入っているため大きな差はなし。
◆ 車検・修理は本土へ
軽自動車でも車検の輸送費が片道25,000円以上。片道分のみ島から助成があります。
車屋さんもありません。ちょっとした修理は車に詳しい島のおじさんに頼んだりしています。
◆ フェリー欠航
- 台風シーズン(9月):ほぼ毎年荒れる
- 冬:時化で欠航多め
- 冬は船のドック入りで便数が減り、欠航率も高め。
- 波予報アプリ「Windy」で波確認
- 予定は常に前倒し&予備日確保

フェリーの欠航で島のイベントがなくなることは日常茶飯事です。離島生活で「リスケ力」が爆上がりしました。
郵送・荷物
◆ 大手配送の扱い
- ヤマト・佐川 → 本土の港まで
- 島の港に着いた荷物は自分で取りに行くスタイル
(荷物表で確認→港で受け取り) - 郵便局のゆうパックのみ自宅受け取り可能。

港に行けない時もあるので、メルカリ購入の際にも「ゆうゆうメルカリ便」で交渉しています。
◆ メルカリ出品
- 匿名配送は ゆうパケットポストのみ可
- 船便になるので、通常より+1〜2日遅れ
発送タイミングの見極めが本当に重要です。
住まいの維持費(カビ・潮風ダメージ)
◆ カビとの戦い
夏場は放置すると湿度が70〜80%。
フローリングの溝にカビが発生したことも…。
- 除湿機は必須(アイリスオーヤマのサーキュレーター付きを愛用)
- 洗えるラグに変更
- チャタテムシ対策で毎日掃除機+コロコロ
◆ 潮風ダメージ
- バイク:みるみる錆びるので妊娠直後に売却
- 車・手すり・消火栓BOX:築1年で錆び始める
「潮風の破壊力」は想像の3倍です。
レジャー・交際費
◆ 島のイベントは多い
地域全員参加でのイベントが多いのが離島っぽいです。今では慣れましたが、地区放送があるのも移住当初は新鮮でした。
- 運動会
- さまざまな島の祭り
- 盆の行事
- 敬老会
- 子ども会(ハロウィン・クリスマス会など)
- 忘年会(参加費2,000〜3,000円)
- 地区会費:約7,000円/年
◆ 本土の外食は「最高のご褒美」
島に外食はほぼないので、本土で食べる外食のありがたみがすごい。
買い物も旅行も「行くだけで非日常」です。

私はこれを「幸せの閾値が下がった」と表現していますw
貯金・保険・仕事
◆ わが家の保険
夫のみ医療+生命保険の最小限。
私は医療保険も生命保険も加入していません。貯金+積立NISA +iDecoが主軸。
◆ 収入の変化
独身時代はフルタイム+副業(Webデザインで月5万円ほど)。
しかし出産後は保育園に預けられない → 完全自宅保育で働けないという典型的な離島パターンに。

子どもが寝てから…という働き方は自身のメンタルが不安定になる可能性があるのでやめてます。
時々、夫が休みの土日に婦人会のお弁当作りなどに参加し、お小遣いを稼ぐ程度です。
◆ 離島と副業の相性
PCさえあればリモート副業ができるので「Webデザイン」「ブログ」「資格系」はかなり相性良し。

遊ぶところがないので、独身時代には副業や資格取得の勉強に燃えてましたw
まとめ:離島の生活費は“お金+生活環境”で見るべき
離島の良さはたくさんありますが、
医療アクセス・子育て・物流・天候リスク・働き方
は想像以上に生活に直結します。
私たち夫婦は離島の出身ではないので、ライフステージの変化により離島暮らしをずっと継続するかはわかりません。ただ現在は不便ながらも離島生活に適応し、今の生活を楽しんでいます。
- 健康であること
- 柔軟な働き方があること
- 生活の遅延に耐えられること
この3つが揃っている人には、離島暮らしは本当に魅力的です。

